樹脂切削加工品の品質は、製品の見た目だけでは判断できません。寸法が公差内に収まっているか、使用した材料は指定通りか。これらを客観的に示せるかどうかが、量産加工業者を選ぶ際の重要な判断基準です。
本記事では、「検査成績書」と「ミルシート(材料証明書)」の役割を説明したうえで、株式会社ミワレイズの「検査成績書」と「ミルシート(材料証明書)」管理について紹介します。受入検査の負担を減らしたい方、トレーサビリティを重視される方にとって、参考になれば幸いです。
樹脂加工の精度保証に欠かせない「検査成績書」の役割とは

検査成績書とは、製品が図面の寸法公差や品質基準を満たしているかを測定し、その結果を記録した書類です。加工業者が発行し、製品に添付して納品されます。
この書類があることで、受け取る側は製品を測り直さなくても、加工業者が実施した検査の結果を確認できます。受入検査の工数削減に直結するため、量産品や精度管理が厳しい部品を発注する際には、検査成績書の発行を条件にする企業も増えています。
また、万が一不良が発生した場合にも、検査成績書があれば「どの時点で何を確認したか」を遡ることができます。原因の特定と是正処置をスムーズに進めるうえで、欠かせない記録です。
株式会社ミワレイズが発行する検査成績書の内容と記載項目
ミワレイズが発行する検査成績書には、以下の項目が記載されています。
| 記載項目 | 内容 |
|---|---|
| 注文番号・品番 | 発注元との照合に使用 |
| 材質 | 使用した樹脂素材の種類 |
| 製造Lot No. | 製造ロットの識別番号 |
| 測定器管理No. | 使用した測定器の管理番号 |
| 検査員・検査日 | いつ・誰が検査したかの記録 |
| 測定箇所と実測値 | 図面指定箇所の実測データ |
| 良品数・不良数 | 検査結果の個数記録 |
注文番号・品番・材質から製造Lot No.までを網羅
注文番号や品番は、発注元との書類照合に使います。材質の記載により、指定した素材が使われているかの確認も可能です。
製造Lot No.は、同一ロットの製品を追跡するための識別番号で、不良発生時の原因調査に役立ちます。
測定器管理No.の明記によるデータの正当性保証
測定器管理No.は、使用した測定器を特定するための番号です。測定器が定期的に校正されているかを確認するためのもので、この番号が記載されていることで、測定データの信頼性を担保しています。
「どの測定器で測ったか」が明確でなければ、数値の正確さを証明できません。検査成績書に測定器管理No.が記載されているかどうかは、加工業者の品質管理水準を見極めるポイントの一つです。
ミワレイズの検査成績書内の項目イメージ


形状のまま測れない箇所は切断して「断面で測定」

樹脂切削加工品のなかには、表面からでは測定器が届かない箇所があります。たとえば、深い溝の底面や内径の奥まった部分などがその例です。
こうした箇所を測定するために、ミワレイズでは製品を切断して断面を露出させたうえで測定する方法を採用しています。検査用に別途サンプルを用意し、断面で実測値を取ることで、表面からでは確認できない寸法を正確に把握できます。
「測れないから省略する」ではなく、「測れる状態にしてから測る」という姿勢が、精度保証の確かさを裏付けています。特に公差が厳しい部品や、内部形状の精度が品質に直結する製品を発注される際には、こうした検査手法の有無を確認することをお勧めします。
徹底した検査体制|全数検査(外観)
ミワレイズでは、出荷前に全数の外観検査を実施しています。抜き取り検査ではなく、製造した製品すべてに対して傷・バリ・異物の有無を目視で確認します。
この検査を担うのは、製造部門から独立した品質保証部の検査課です。製造した担当者とは別の目で確認することで、見落としを防ぐ体制を整えています。
製品の外観は、機能上の問題がなくても取引先に与える印象に影響します。寸法が公差内に収まっていても、表面に傷やバリが残っていれば、受入検査で弾かれることもあります。全数の外観検査は、そうした納品後のトラブルを未然に防ぐための取り組みです。
関連記事:樹脂切削量産加工品の品質管理|材料確認から出荷までの全工程を徹底解説
材料の素性を証明する材料証明書(ミルシート)と厳格なトレーサビリティ管理体制

材料証明書(ミルシート)は、使用した素材の成分・物性・製造元を証明する書類です。「どのメーカーの、どのロットの材料を使ったか」を書類として残すことで、材料に起因するトラブルが発生した際の原因追跡が可能になります。
ミワレイズでは、材料の受け入れ時に材質証明書を確認し、工程管理表に素材メーカー・材質・素材寸法・材質証明書のロットNo.を記録しています。このデータは、製造・検査の各工程の記録と紐づけて保管されるため、製品一つひとつの履歴を後から追跡できます。
RoHS適合証明書やchemSHERPAへの対応も可能です。環境規制への対応が求められる業界の方や、化学物質管理の書類提出が必要な取引先がある方にも、安心してご利用いただける体制を整えています。
関連記事:テフロン切削(PTFE)の量産で「品質保証」を重視した信頼できる加工業者を選ぶには
まとめ:確かな検査記録が、受入検査の負担を減らします
樹脂切削加工品の精度を証明するには、測定した結果を記録し、書類として提出できる体制が必要です。検査成績書・材質証明書(ミルシート)・トレーサビリティの記録が揃うことで、受け取る側の受入検査工数を削減し、不良発生時の対応もスムーズになります。
ミワレイズでは、独立した品質保証部による全数外観検査と、断面測定を含む寸法検査を実施したうえで、これらの書類を添付して納品しています。検査成績書の発行体制や対応可能な書類について、ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
樹脂切削加工依頼でよくあるご質問(FAQ)
Q1. 検査成績書は全品に発行してもらえますか?
はい、対応可能です。ご発注時にご指示いただければ、全品に検査成績書を添付してお届けします。測定箇所や記載項目についてもご要望に応じて調整できますので、まずはご相談ください。
Q2. RoHS適合証明書やchemSHERPAへの対応はできますか?
対応しています。材料の受け入れ時に材質証明書を確認し、必要な書類を発行できる体制を整えています。環境規制への対応が求められる業界や、取引先から書類提出を求められる場合もお気軽にご相談ください。
Q3. ミルシート(材料証明書)と検査成績書は何が違いますか?
ミルシートは「材料の素性を証明する書類」、検査成績書は「加工後の製品が寸法公差を満たしているかを証明する書類」です。ミルシートは素材メーカーが発行し、加工業者がそれを保管・提出します。検査成績書は加工業者が検査を実施したうえで発行します。
どちらも製品のトレーサビリティを確保するうえで重要な書類ですが、証明する内容が異なります。
Q4. 少量の試作品でも検査成績書を発行してもらえますか?
はい、試作品でも対応しています。量産品と同様に、寸法検査・外観検査を実施したうえで検査成績書を発行します。試作段階から品質記録を残しておくことで、量産移行時の管理もスムーズになります。
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