- 熱処理
樹脂は熱によって柔らかくなり、形状を変えることができる場合があります。樹脂の種類によっては、熱をかけて反りを修正した後、ゆっくりと冷却することで形状を固定できることがあります。ただし、温度が高すぎると樹脂が変形したり変質する可能性があるので、温度管理には注意が必要です。 - 乾燥・湿度調整
樹脂製品の反りは湿度の変化によって生じることもあります。製品を乾燥させたり、適切な湿度で保管することで、反りが改善されることがあります。 - 金型や製造条件の調整
樹脂の成形時に反りが発生する原因として、金型の温度や冷却速度、注入圧力などの成形条件が関係している場合があります。特に、成形品の厚みが不均一だと、冷却の差によって反りが起きやすくなります。製造工程を調整することで、反りが発生しにくくなる場合があります。 - リブや補強材の追加
製品の設計において、リブ(補強リブ)や補強材を追加することで、反りを防止できることがあります。これにより、樹脂の収縮や変形の影響を抑えることができます。 - アニール処理
アニール処理は、樹脂を特定の温度まで加熱し、その後ゆっくりと冷却することで内部の応力を除去する方法です。これによって反りを軽減し、製品の寸法安定性を向上させることができます。 - 反りの補正用の治具を使用する
治具(ジグ)を使って製品を理想的な形に固定し、温度や湿度の影響を抑えて形状を安定させることもあります。
どの方法が適切かは、製品の材質や形状、使用環境によって異なりますが、弊社がよく行うのは恒温器を用いた「アニール処理」です。
UHMW-PE(超高分子量ポリエチレン)などは寸法安定性を向上させるために、パイプ材を複数に切断して切削加工前にアニール処理を行います。
また、加工品の時間経過による反りについても、恒温器でアニール処理を行ったのち、加工品の上に重石になるような物で均等に圧をかけ自然冷却させると反りが直る場合もあります。
樹脂加工品の反りが全てこの方法で直せるとは言い切れませんので、やはり反りが起こりにくい環境(空調管理・平面に置き必要ならば上から圧をかけるなど)に保管することをお勧めします。