テフロンとスーパーエンプラの長所短所は?

1. テフロン(PTFE:ポリテトラフルオロエチレン)

テフロンは、フッ素樹脂の一種で、優れた耐熱性や耐薬品性を持つことで知られています。

長所

耐熱性が高い(約260℃まで使用可能)
耐薬品性に優れる(強酸・強アルカリにも侵されにくい)
低摩擦係数(非常に滑りやすく、摺動性が高い)
絶縁性が高い(電気的特性が優れている)
非粘着性(食品加工やフライパンのコーティングに利用)

短所

機械的強度が低い(引張強度や耐衝撃性が低い)
耐摩耗性が低い(摩擦には強いが摩耗しやすい)
成形加工が難しい(溶融流動性が低く、射出成形が困難)
コストが比較的高い


2. スーパーエンプラ(スーパーエンジニアリングプラスチック)

スーパーエンプラは、一般的なエンジニアリングプラスチックよりも耐熱性や機械的強度に優れたプラスチックです。代表的な種類には以下のようなものがあります。

種類特徴
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)高耐熱性(約260℃)、耐薬品性、耐摩耗性が高い
PPS(ポリフェニレンサルファイド)耐薬品性・耐熱性が高く、電気特性も良い
LCP(液晶ポリマー)高剛性・高耐熱性、小型精密部品に適する
PAI(ポリアミドイミド)超高耐熱性(約270℃)、高強度、耐摩耗性が優れる

長所(種類によって異なるが共通するもの)

耐熱性が高い(200℃以上の高温でも使用可能)
機械的強度が高い(引張強度、圧縮強度、耐衝撃性が優れる)
耐摩耗性が高い(摺動部品として使われることが多い)
耐薬品性に優れる(PPSやPEEKは特に耐薬品性が高い)
成形性が良い(射出成形が可能な種類も多い)

短所

コストが高い(一般的なプラスチックより高価)
吸湿性があるものが多い(特にPAIやPEEKは吸湿しやすい)
加工が難しい種類もある(高硬度のため切削が困難な場合がある)


3. どちらを選ぶべきか?

✅ テフロンを選ぶべき場合

  • 摩擦が少なく、滑りが重要な用途(摺動部品、シール材など)
  • 強い薬品にさらされる環境(化学工業、実験器具)
  • 非粘着性が必要な用途(フライパン、食品加工)

✅ スーパーエンプラを選ぶべき場合

  • 高い強度や耐摩耗性が求められる場合(ギア、軸受、機械部品)
  • 260℃以上の高温環境で使用する場合(航空宇宙、自動車エンジン部品)
  • 射出成形などの加工が必要な場合

まとめ

特性テフロン(PTFE)スーパーエンプラ(PEEK, PPS, PAIなど)
耐熱性高い(260℃程度)さらに高い(200〜300℃)
耐薬品性極めて高い高い(種類による)
摩擦特性低摩擦(滑りが良い)高耐摩耗性(種類による)
機械的強度低い非常に高い
成形加工性難しい(射出成形不可)比較的良い
コスト高めさらに高い

どちらを選ぶかは用途によりますが、「耐熱・耐薬品性ならテフロン」「強度や耐摩耗性が必要ならスーパーエンプラ」と考えると分かりやすいです。

プラスチック加工のことならMIWAプラスチック加工にご相談ください

お問い合わせ

樹脂切削のことなら···
MIWA樹脂切削加工にご相談ください。